冬の奄美大島には、毎年 体長12〜15mもの巨大なザトウクジラ が姿を現します。
出産と子育てのため暖かい海へ渡ってくるクジラたちは、1月〜3月の期間、奄美大島周辺に滞在します。
そんなクジラたちと 同じ海の中で出会える体験 が “ホエールスイム”。
海の中で静かに漂うクジラの影が近づいてくる瞬間、胸の鼓動が聞こえるほどの静けさに包まれ、
巨大な生きものが目の前でゆっくりと動く光景は、まさに言葉を失うほどの感動——。
船の上から観察するホエールウォッチングとは異なり、
ホエールスイムは 海の中でクジラと向き合う特別な体験。
決して追いかけるのではなく、クジラが自ら寄ってきてくれるのを待つスタイルだからこそ、
“選ばれた人のみが味わえる奇跡の瞬間” と言えるかもしれません。
この記事では、
ホエールスイムの参加条件、ベストシーズン、料金、持ち物、安全性、ショップの選び方、体験の流れ
を詳しくまとめています。
これから挑戦してみたい方、ウォッチングと迷っている方に、ぜひ参考にしていただきたい内容です。
ホエールウォッチングについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。

ホエールスイムとは?|ウォッチングとの違い
ホエールスイムは、船の上から観察するホエールウォッチングとは大きく異なります。
| ホエールウォッチング | ホエールスイム | |
|---|---|---|
| 観察方法 | 船の上から観察 | 海に入り、素潜りで観察 |
| 難易度 | 初心者向け | 上級者向け |
| 参加対象 | 子ども・家族OK | 中学生以上、体力条件あり |
| 必要スキル | なし | スキンダイビング経験 |
| 幼児・家族旅行 | ◎ | △(制限あり) |
| 魅力 | 行動全体が見える | 圧倒的臨場感。別次元の感動 |
ホエールスイムの最大の魅力は、
水中でクジラと向き合ったときの 静けさ、距離感、生命そのものの存在感。

「海の中で初めてシルエットが現れた瞬間、涙が溢れました」

「母クジラのそばでくるくる遊ぶ赤ちゃんクジラが本当に愛らしい」
参加者からはそんな声が多く聞かれます。
なぜ奄美大島でホエールスイム?
- 奄美大島は クジラの繁殖・子育て海域
- 親子クジラに出会える確率が高い
- 比較的穏やかな海域が多い
- 複数船で情報共有し遭遇率が高い
- 経験豊富な専門ガイドが多数
水中での接近は禁止されており、
安全距離を保ちながら クジラが近づいてくるのを待つ方式 が徹底されています。
ベストシーズンと遭遇率
| 期間 | 特徴 |
|---|---|
| 1月上旬〜3月末 | クジラが最も多く滞在する季節 |
| 2月〜3月前半 | 親子クジラ遭遇率が高まる |
| 遭遇率 | 高確率(ウォッチングで90%以上の実績も) |
ホエールスイムの体験の流れ(約4〜6時間)
ガイドによる受付・本人確認・参加同意書の記入を行います。
この時点で海況、当日のポイント、風向きによるルート変更などの説明があります。
船酔いが心配な方は ここで酔い止めを服用 すると効果的。
器材のサイズ調整やフィット確認も丁寧に行います。
ホエールスイムの流れ、海への入水方法、ガイドの合図や手信号、
クジラに負担をかけないためのルール数点を説明します。
「追いかけない・囲まない・騒がない」といった基本姿勢を確認し、
実際のエントリー体勢の練習・フィンワークの確認を行います。
船は沖へ向けて進み、
潮吹き(ブロー)、海鳥の動き、船同士の無線情報などを頼りに探索します。
移動中はデッキから海を眺めたり、撮影準備を整えるリラックスタイム。
波の上を進む感覚を楽しみながら、クジラの発見を待ちます。
早いと30分以内に発見できることもありますが、
日によっては1〜2時間かけて探すこともあります。
この“待つ時間”もホエールスイムの醍醐味です。
クジラが確認できたら、ガイド判断で慎重に距離を保ちながら船を停止。
動き、方向、休息状態かどうかをチェックし、
観察に適したタイミングを見定めます。
ガイドが
「今です、準備してください」
と声がけして、参加者は静かにエントリー位置へ移動します。
フィンを履いたら、手すりを使って静かに海へ。
顔をつけ、水中で落ち着いて呼吸リズムを整えます。
ガイドが指さす方向を確認し、ゆっくりフィンキックで前進。
青い水の中に霞む 巨大な影 が現れ、
少しずつ近づいてくる瞬間は圧倒の一言。
運が良ければ、好奇心旺盛な子どもクジラが近くまで来てくれることも。
母クジラは深く落ち着き、子クジラが上に上がり呼吸する——
そのリズムを間近で感じられるのはホエールスイムならでは。
クジラの動きや海況に応じて、
1日で数回のスイムチャンス が設けられることが一般的です。
同じポイントに長く留まる場合もあれば、移動して狙うケースもあります。
体力を使うため、間の休憩はしっかり取り、
水分補給や装備の調整を行いながら進行します。
港へ戻り、器材を洗浄・片付け。
ガイドによりその日のクジラの動きやエピソードの共有があります。
写真や動画撮影を行った場合は、データ受け渡しの案内も。
解散後は、温かい食事や温泉で身体を休める方が多いです。
| 体験内容 | 所要時間 |
|---|---|
| 集合〜説明・準備 | 約50分 |
| 出港〜探索 | 約1〜2時間 |
| エントリー・観察 | 約1〜1.5時間 |
| 休憩+再チャレンジ | 約1〜1.5時間 |
| 帰港〜解散 | 約30〜60分 |
| 合計 | 約4〜6時間 |
ホエールスイムは、クジラを追いかける体験ではありません。
“待つこと” “自然に任せること” が最も大切であり、
その姿勢がクジラに安心感を与え、奇跡の瞬間を引き寄せます。
参加条件と向いている人
- スキンダイビング経験がある
- 長時間の海上移動が可能
- 健康で体力に自信がある
- 海洋生物へのリスペクトを持てる
向かないケース:
- 酔いやすく体調管理が難しい
- 泳ぎが苦手
- 小さなお子様連れ
服装・持ち物
| 必須 | 推奨 |
|---|---|
| ウェットスーツ | 酔い止め |
| マスク・シュノーケル・フィン | 耳抜きグッズ |
| ライフジャケット | 防寒対策・カイロ |
| タオル | 撮影用ハウジング |
安全対策とルール
- クジラとの距離はガイドの指示に従う
- 接触目的の行動は禁止
- 追いかけない、囲まない、大声を出さない
- 海況次第で中止判断あり
自然に敬意を払う意識が一番大切です。
料金と予約時の注意点
| 内容 | 目安 |
|---|---|
| 料金 | 15,000〜20,000円前後 |
| 所要時間 | 4〜6時間 |
| 予約 | 1〜4週間前 が安心 |
| 中止 | 強風・波・視界不良・クジラ保護状況 |
ホエールスイム成功のコツ
- ガイドの合図を最優先
- 泳ぎは静かに
- クジラを追わない
- 黒系スーツの方が安心感を与えると言われる
ホエールスイム|よくある質問(FAQ)
- 初心者でも参加できますか?
-
ホエールスイムは、基本的にスキンダイビングなどの経験者向けのアクティビティです。
素潜りで落ち着いて泳げること、フィンを使って一定距離を静かに移動できることが目安になります。
「少し自信がない…」という方は、まずホエールウォッチングから参加したり、事前にスキンダイビングの練習をしておくのがおすすめです。
参加条件の詳細は、必ず各ツアー会社のご案内をご確認ください。 - 年齢制限はありますか?
-
一般的には 中学生以上 が対象となります。
(体力と安全性を考慮し、幼児や小学生の参加は不可)
ただし、ショップごとに基準が異なるため、事前確認をおすすめします。 - 泳ぎに自信がなくても大丈夫?
-
基本的に フィンを使って一定距離を静かに泳げること が必要です。
泳ぎが苦手な方は、ホエールウォッチングのみの参加が適しています。 - 酔いやすいのですが、参加できますか?
-
参加可能ですが、酔い止めの服用を強くおすすめします。
海況によっては揺れが大きい日もあります。
船酔いが心配な方は、北部・南部など海況が穏やかなショップを選ぶのも良い方法です。 - クジラに近づいても大丈夫ですか?
-
自分から近づくことは禁止です。
クジラにストレスを与えないため、ガイドの指示に従い、海面で静かに待ちます。
主役はクジラ。人間はあくまで見守る立場です。 - クジラに会えないことはありますか?
-
あります。自然が相手のため「必ず会える」保証はありません。
ただし複数船で情報共有するため、 遭遇率は比較的高い といわれています。
状況によっては ホエールウォッチングに切り替えて実施する場合もあります。 - どんな瞬間が見られますか?
-
- 親子クジラの並泳
- 子クジラが好奇心で近づいてくる瞬間
- 巨大な胸ビレが水中を滑るように動く姿
- 水中に響く低く深い声や呼吸音
出会えたときの静寂と迫力は、言葉では表せないほどです。
- カメラやGoProで撮影できますか?
-
可能です。
ただし、撮影に夢中になりすぎず 安全と観察を最優先 にしましょう。
また、両手がふさがらないよう ハウジングケース+ストラップ の利用をおすすめします。 - どんな服装と持ち物が必要?
-
- ウェットスーツ または ドライスーツ
- マスク・シュノーケル・フィン(必須)
- タオル、防寒対策、酔い止め
(器材レンタルの有無はショップにより異なります)
- 中止の場合はどうなりますか?
-
安全が確保できないと判断された場合、ツアーは中止になります。
強風・高波・視界不良・親子クジラ保護のための制限などが理由です。
料金については 返金または日程振替 で対応されることが一般的です。
ホエールスイムは、
ただ泳ぐアクティビティではなく、
命と向き合う尊い体験 です。
その瞬間のために、準備・知識・姿勢がとても大切。
丁寧な心で挑めばきっと、人生に残る体験になるはずです。
奄美大島 ホエールスイム対応ショップ紹介
【奄美大島 北部】

ONSHORE
奄美大島北部・コウトリビーチ周辺を拠点に、ホエールスイムも開催しているマリンアクティビティショップ。
43ftの大型クルーザー(ヤマハPC-43)でご案内するので、揺れが少なく船酔いが心配な方でも参加しやすいのが特徴です。オーナーガイドの「かな」さんが、ザトウクジラの生態やスイムのマナーを丁寧にレクチャー。奄美クジラ・イルカ協会加盟店という点も安心材料です。
料金の目安:大人(10歳以上) 25,000円(税込)
所要時間:約6時間
参加条件:スキンダイビング/フリーダイビング/スキューバダイビングのCカード保持者、ボートエントリー経験者のみ
おすすめタイプ:北部に宿泊している方/船酔いが不安な方/初めてホエールスイムに挑戦したいCカード保持者
【奄美大島 中心部】

マリンスポーツ奄美
奄美大島で 北部・中部・南部の海をカバーする数少ないダイビングショップ。
ホエールスイムでは、1月初旬〜3月末のシーズンに開催され、2022年シーズンは遭遇率98%・奄美全体で約1,700頭のザトウクジラを観察するなど、実績も十分。
料金の目安:シーズン・プランにより異なる(公式サイト要確認)
所要時間:半日〜1日コース(約4〜6時間想定)
参加条件:スキンダイビング/ダイビング経験者向け
おすすめタイプ:名瀬エリア拠点で動きたい方/旅全体をまとめて相談したい方/「とにかく高い遭遇率を重視」したい方
【奄美大島 南部(空港に近い)】

ダンデライオン奄美
奄美大島南部エリアで、シュノーケリングや青の洞窟ツアーと並んで ホエールスイムにも力を入れているショップ。
1〜3月末限定・約6時間コース・27,500円(税込) のツアーで、雄大なザトウクジラと同じ海に身をゆだねる体験ができます。少人数制で、お一人様から参加OK なのも嬉しいポイント。
参加条件はドルフィンスイムやスキンダイビング経験者、もしくはCカード保持者とされており、しっかり泳げる方向けの内容です。
料金:6時間コース 27,500円/人(税込)
所要時間:8:00〜14:00(約6時間)
参加条件:スキンダイビング等の経験者/Cカード保持者のみ
おすすめタイプ:南部エリアを拠点にしたい方/少人数でじっくりスイムを楽しみたい方/1人旅での参加
奄美大島でホエールスイムに挑戦してみませんか?
ホエールスイムは、
人生で一度は体験したい“究極の自然体験”。
ただ眺めるだけの感動ではなく、
同じ海の中で、同じ呼吸のリズムの中で、
クジラと向き合う瞬間は、誰にとっても忘れられない記憶になります。
心から挑戦したいと思った方は、
ぜひ奄美大島でホエールスイムにトライしてみてください。











